2008年にテレビアニメで放送された京極夏彦の長編推理小説「魍魎の匣」。
絡まった紐がスルスルとほどける伏線回収が気持ちよいなど評判の高い作品ですが、一部で「ひどい」「意味がわからない」との声があるようです。
今回はそんなアニメ「魍魎の匣」について調査しました。

(出典:Amazon Prime Video)
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魍魎の匣のアニメが「ひどい」「意味がわからない」との声はなぜ?
アニメ「魍魎の匣」と検索するとひどい、意味が分からないというワードが出てきます。
アニメ『魍魎の匣』は、人気作家・京極夏彦氏による長編推理小説「百鬼夜行シリーズ」の第2作目を原作とし、2008年に、アニメーション制作会社マッドハウスによって全13話のテレビアニメとして制作・放送されました。
監督は中村亮介氏、シリーズ構成は村井さだゆき氏が務め、キャラクターデザイン原案を人気漫画家集団CLAMPが担当したことでも大きな話題を呼びました。
物語の舞台は昭和27年(1952年)の日本。
武蔵野で発見された、匣(はこ)に詰められた手足のない少女の死体。この猟奇的な連続バラバラ殺人事件を中心に、元女優の娘の失踪事件や、「御筥様(おはこさま)」という奇妙な新興宗教の謎など、一見すると無関係に見える複数の出来事が複雑に絡み合っていきます。
皆さんはどんなところにひどい、意味が分からないと感じているのでしょうか。
そもそもテーマが難しい&原作との違いが多い(省略されている)
アニメ「魍魎の匣」は、難しくてあまり理解できなかったという声が多くみられました。
原作を読んでいないとストーリーの全貌を把握するのは難しいのではないかという声もありました。
アニメ化にあたり、複雑な人間関係や事件の背景を説明する必要があるため、序盤は登場人物たちの会話劇が中心となります。
これが一部の視聴者には「物語の展開が遅い」と感じさせました一方で、全ての伏線を回収しなければならない終盤は、一転して駆け足気味の展開となり、「余韻に浸る間もなく終わってしまった」という感想も寄せられています。
原作小説が1000ページを超える非常に長大な物語を、わずか13話(合計約5時間)のアニメに落とし込むことには、構造的な困難が伴っていたのです。
原作小説とテレビアニメ版の違い

(出典:Amazon Prime Video)
| 比較項目 | 原作小説 (1995年) | テレビアニメ (2008年) |
|---|---|---|
| 媒体・ボリューム | 講談社ノベルス、文庫版(1060ページ) | 全13話のテレビシリーズ |
| キャラクターデザイン | 刊行版により異なるが、一般的には写実的・素朴なイメージ | CLAMP原案による美麗で耽美的なデザイン |
| ストーリー構成 | 複数の事件が並行して進み、終盤で一気に収束する複雑な構成 | 原作を再構成し、時系列を整理。前半は丁寧だが後半は駆け足気味との評価 |
| 雰囲気 | 伝奇的、土俗的、哲学的。シリアスさとコミカルさが混在 | 全体的にシリアスで耽美なサスペンスホラー調 |
| 京極堂の憑き物落とし | 圧倒的な情報量と長広舌による圧巻のクライマックス | 尺の都合で台詞や説明が大幅に圧縮され、演出も簡略化されている |
| 備考 | ・緻密なプロットと伏線回収 ・深いテーマ性 ・シリーズの世界観を確立した傑作 | ・美麗なビジュアルと豪華声優陣 ・原作の雰囲気を新たな形で表現 ・構成のアンバランスさへの批判も |
全体像が理解できなかった
また、人間関係に対する説明がな描かれていないからよくわからないという声もみられます。
登場人物も多く複雑な内容なので、2クールぐらいでじっくりやって欲しかったという意見もありました。
他に、キャラクターデザインがイメージと違って綺麗すぎるという声もみられました。
アニメ「魍魎の匣」は会話や用語が難しく、主要人物の説明がされていないので意味がわからないと感じている方が多いようです。
また、原作やコミカライズ版の絵と比べて、キャラクターのイメージが違うという声もありました。
SNSで賛否あったポイントまとめ
SNSでの評価は、まさに賛否両論です。
同じ要素が、ある人には魅力的に、別の人には欠点として映っています。
| 評価のポイント | 批判的な意見・疑問点 | 肯定的な意見・解説 |
|---|---|---|
| 物語の展開 | 会話が多く展開が遅い。終盤は駆け足で余韻がない。 | 多くの伏線が終盤に向けて綺麗に繋がっていく構成が見事だ。 |
| 難解さ | 一度見ただけでは理解できない。人間関係や時系列の整理が大変。 | 複雑だからこそ何度も見返す価値がある。謎が解けた時の解放感がすごい。 |
| 原作との比較 | 原作の膨大な情報量や魅力が削がれてしまっている。 | アニメという限られた時間の中で、原作の雰囲気をよく再現している。 |
| 作画・雰囲気 | 作画が不安定な部分がある。 | CLAMP原案のキャラクターは美しく、重厚でゴシックな雰囲気が良い。 |
| キャラクター | 主要人物以外のキャラクター描写が薄く、感情移入しにくい。 | 京極堂や榎木津といった主要キャラクターの個性が際立っている。 |
魍魎の匣のアニメの良い口コミ1:独特で陰鬱な雰囲気が良い
アニメ「魍魎の匣」は独特で陰鬱な雰囲気が良いという声が多くみられます。
原作小説は純粋な推理小説というよりも広義でのミステリー・ホラーのような作品で、戦後の日本の雰囲気や人間の闇を描いた概念としての「妖怪」など、陰鬱とした世界観が魅力的な作品です。
その原作の魅力をアニメとして映像化していることが、視聴者に面白さを伝えているのではないかと考えられます。
アニメ「魍魎の匣」のホラーのような陰鬱で独特な雰囲気が作品をより魅力的にしているようです。
魍魎の匣のアニメの良い口コミ2:難解で複雑なストーリーがすごい本格ミステリー作品
アニメ「魍魎の匣」は難解で複雑なストーリーがすごいという声が多くみられました。
原作小説の「魍魎の匣」は京極夏彦の人気作品「百鬼夜行」シリーズの第2弾で「謎」が「謎」を呼ぶ一流のミステリー小説です。
1060ページもある長編小説をアニメでは全13話にまとめているので、視聴者は要点をわかりやすく追えるのではないかと考えられます。
また、京極夏彦の説明が難しい長編小説を1クールのアニメにわかりやすくまとめたことに凄いと感心している声もありました。
アニメ「魍魎の匣」はミステリーとしてのストーリーが本格的で、とても見応えがある作品のようです。
アニメが面白かったので、いつか原作小説をじっくりと読んでみたいと思ったという方もみられました。
魍魎の匣についておさらい
「魍魎の匣」は京極夏彦の長編推理小説で、2008年にテレビアニメが放送されました。
元映画女優の美波絹子の妹・加菜子は親友の頼子と共に最終電車に乗って湖を見に行く途中、何者かに駅のホームから突き落とされ轢かれてしまいます。
偶然事故車両に乗り合わせていた刑事の木場は加菜子の事件を追います。
しかし大勢の警官が警備する中、輸送先の研究所から重症の加菜子が忽然と消えてしまいました。
時を同じくして八王子で連続バラバラ殺人事件が発生し、小説家の関口と編集者の鳥口は「御筥様」を祀る宗教との関連を調べます。
一方探偵の榎木津はある人物から加菜子の捜索を依頼され、調査を続けるうちに箱型の建物との繋がりが判明します。
一同は憑き物落としの京極堂の元へ集結し、この複数の怪奇事件の真相を追う本格ミステリーアニメです。
魍魎の匣のアニメはどんな人に向いている?
アニメ「魍魎の匣」は会話やストーリーが難解ですが、本格ミステリー作品なのでミステリー好きの方やストーリー重視で考えながら見るのが好きな方におすすめのアニメではないでしょうか。
また、戦後の時代背景が独特な雰囲気で描かれているので、そういった世界観が好きな人にも向いているアニメだと思います。







