『マイリトルポニー』は、カラフルで可愛いポニーたちが「友情」をテーマに繰り広げる物語で、世界中の子供たちに大人気の作品。
しかし、インターネット上、特になんJなどの掲示板では「やばい」「クズ」「闇堕ち」「怖い」といった、一見すると作品のイメージとはかけ離れた言葉を目にすることがあります。
なぜ、このような声が上がるのでしょうか。
マイリトルポニーがやばい?クズや闇堕ち、怖いなどの声も?

『マイリトルポニー』に対してネガティブな声が上がる背景には、主に3つの要因があると考えられます。
キャラクターの多面性がクズや闇堕ちっぽい?
メインキャラクターたちは、それぞれが「友情」を象徴する要素を持っていますが、完璧な存在ではありません。
むしろ、人間らしい(ポニーらしい)欠点やコンプレックスを抱えており、その多面的な性格描写が、一部の視聴者から「クズ」と揶揄される原因になっていると思われます。
ファッションデザイナーのラリティは、気品があり寛大さ(the Generosity)を司る一方で、時にナルシストでわがままな一面を見せることがあります。
また、空を高速で飛ぶレインボーダッシュ∂は、忠誠心(the Loyalty)の持ち主ですが、自信過剰で負けず嫌いな面も強く描かれています。
しかし、その行動だけを切り取ると「自己中心的」や「傲慢」と見えてしまい、「クズ」という極端な評価に繋がることがあるようです。
また、「闇堕ち」という言葉もよく使われるのですが、プリンセスセレスティアの妹であるプリンセスルナが、姉への嫉妬心から悪の存在「ナイトメアムーン」に変貌してしまったエピソードが元になっています。
| 誤解されがちなキャラクター | 内容 |
|---|---|
| ピンキーパイ | いつも明るくパーティー好きだが、友達に忘れられたと思い込み、精神的に不安定になることがある。 |
| フラッターシャイ | 優しく臆病だが、怒ると非常に怖い一面を見せることがあり、そのギャップがネタにされる。 |
| アップルジャック | 正直(the Honesty)を司るが故に、時に頑固で意地っ張りになり、周りを困らせることがある。 |
二次創作が怖い
『マイリトルポニー』は、その魅力的な世界観とキャラクターから、世界中に非常に活発なファンコミュニティが存在し、イラスト、漫画、小説、音楽、ゲームなど、多岐にわたる二次創作活動を行っています。
ファン活動は作品を盛り上げる大きな力ですが、一方で「怖い」というイメージを生む原因にもなっています。
問題となるのは、一部のファンが制作する過激な二次創作です。
原作のほのぼのとした雰囲気とはかけ離れた、暴力的・猟奇的な描写や、性的な表現を含む作品も存在。
こうした作品は、原作のファン、特に子供の視聴者やその保護者から見れば、非常に衝撃的で「怖い」と感じられるのは当然のことでしょう。
もちろん、これは『マイトルポニー』に限った話ではなく、人気作品であれば多かれ少なかれ直面する問題です。
しかし、本来のターゲット層が女児であるため、過激な二次創作とのギャップがより際立ち、「マイリトルポニーのファンは怖い」という印象に繋がりやすいのかもしれません。
成人男性ファン「ブロニー」がやばいし怖い
『マイリトルポニー』が「やばい」と言われる最大の要因の一つが、「ブロニー(Brony)」と呼ばれる成人男性ファンの存在です。
ブロニーとは、「Brother(兄弟)」と「Pony(ポニー)」を組み合わせた造語で、元々は海外の匿名掲示板4chanで生まれました。
女児向けアニメを成人男性が熱心に視聴し、ファン活動を行うという現象は、多くの人にとって理解しがたく、時に奇異なものとして映ります。
一部メディアでは、社会不適合者のように否定的に報じたこともあり、「ブロニーは危険」「怖い」といった偏見が広まる一因となりました。
しかし、ブロニーの多くは、子供向けと侮れないストーリーの深さ、魅力的なキャラクター、そして作品に込められた「友情」という普遍的なテーマに惹かれた、ごく普通のファンなのです。
制作者側も彼らの存在を認識しており、CEOだったマーガレット・ローシュのように、全ての視聴者を歓迎する姿勢を示しています。
ターゲット層ではないファンがついたことは、作品の質の高さを証明しているとも言えるでしょう。
マイリトルポニーが人気の理由

「やばい」という声がある一方で、『マイリトルポニー』が世界中で絶大な人気を誇るのには、しっかりとした理由があります。
子供だけではなく大人さえも魅了する深い物語
主人公のトワイライトスパークルが、プリンセスセレスティアの指示でポニービルに送られ、5頭の仲間たちと出会い「友情の魔法」を学んでいく、というのが物語の基本です。
各エピソードは、嫉妬、誤解、見栄、意見の対立といった、誰もが経験するような身近な問題を扱っています。
そして、キャラクターたちが失敗や反省を繰り返しながら、友情の力でそれを乗り越えていく姿が描かれます。
物語の最後には、そのエピソードで学んだ教訓をプリンセスセレスティアへの「友情の手紙」として報告するのが定番の形式となっており、視聴者も一緒に友情の大切さを学ぶことができるのです。
この「子供だましではない」真摯な物語作りは、開発者であるローレン・ファウストの強い信念に基づいています。
「女の子向けだから」という理由で質を妥協することを嫌い、性別や年齢を問わず楽しめる普遍的なエンターテイメントを目指した結果、子供たちはもちろん、物語の深さを理解できる大人たち、すなわちブロニーをも惹きつける作品が生まれたのです。
マイリトルポニーのイメージ調査と良い口コミ一覧
ネット上のネガティブな声とは裏腹に、実際に作品を視聴した人の多くは非常に良い印象を持っています。
英語サイト含めてSNSなどを200件ほど調査してみたのですが、おおよそ75%の人が「ポジティブな印象」または「非常にポジティブな印象」を持っているようでした。(わけがわからない口コミはノーカウント)
以下は、寄せられた良い口コミの一部です。
マイリトルポニーについておさらい
ここで改めて、『マイリトルポニー』がどのような作品なのか、基本的な情報をおさらいしておきましょう。
概要
『マイリトルポニー』は、アメリカの玩具メーカー、ハズブロ社が1981年から展開している玩具シリーズが原作です。
カラフルなポニーの人形は、世代を超えてリニューアルされ続けており、ファンからは各世代が「G1(第1世代)」「G2(第2世代)」といった形で呼ばれています。
世界的な人気を博したのは、2010年から放送された第4世代(G4)にあたるアニメ『My Little Pony: Friendship is Magic』(邦題:マイリトルポニー 〜トモダチは魔法〜)です。
このシリーズが、前述の「ブロニー」現象を生み出しました。日本では、2013年からテレビ東京系列で放送され、ブシロードなどが関連商品を展開しました。
以下のような人に向いているアニメと言えます。
- 可愛いキャラクターやファンタジーな世界観が好きな人
- 心温まる友情の物語を見たい人
- キャラクターの成長や変化を追うのが好きな人
- 子供向けと侮れない、深いテーマ性を持つ作品を探している大人
- 親子で一緒に楽しめるアニメを探している人
- 日常会話を中心とした英語学習の教材を探している人
Q&A
- よく聞く「ブロニー」って、結局何なんですか?
主に『マイリトルポニー 〜トモダチは魔法〜』を愛好する、10代後半から30代の男性ファンのことを指す言葉です。元々はネットスラングでしたが、現在ではメディアでも使われる一般的な呼称となっています。女性ファンを「ペガシスター」と呼ぶこともありますが、「ブロニー」は性別を問わず成人ファン全般を指して使われることもあります。
- シリーズがたくさんあるみたいですが、どれから見ればいいですか?
初めて見る方には、世界的に最も人気があり、ファンコミュニティも活発な第4世代(G4)の『マイリトルポニー 〜トモダチは魔法〜』をおすすめします。このシリーズから人気が爆発したため、話題の中心になるのはほとんどこの作品です。一話完結のエピソードが多いので、どの話から見ても楽しめますが、第1話・第2話から見ると主要キャラクターの関係性がよくわかります。
- ポニーの種族が違うと結婚できないんですか?子供はどうなるの?
種族が違っても結婚することは可能ですし、子供も生まれます。作中には、ユニコーンのプリンセスケイデンスとペガサスのシャイニングアーマーという夫婦が登場します。また、アースポニー同士のケーキ夫妻から、ペガサスとユニコーンの双子が生まれた例もあります。これは、祖先の遺伝子が隔世遺伝したのではないかと考えられています。
- キャラクターの名前には何か意味があるんですか?
はい、多くのキャラクター名には意味が込められています。例えば、おしゃれなユニコーンのラリティ(Rarity)は、英語で「希少性」を意味する言葉が由来です。これは、彼女が特別な才能や美しさを持つ希少な存在であることを示唆しているのかもしれません。他のキャラクターも、それぞれの性格や才能に関連した名前がつけられています。
- 公式で「闇堕ち」したキャラクターは本当にいるんですか?
はい、います。物語の序盤で、プリンセスルナが悪の存在「ナイトメアムーン」として登場します。これは、夜を司る自分よりも昼を司る姉のプリンセスセレスティアばかりがポニーたちに愛されることへの嫉妬と孤独感が原因でした。最終的には、トワイライトスパークルたちの持つ「エレメント・オブ・ハーモニー」の力によって浄化され、元の優しいプリンセスルナに戻ります。このエピソードは、シリーズ全体の重要なテーマである「友情による救済」を象徴する出来事だと言えます。







