サイレントサイレン(以下:サイサイ)のライブに対して「ひどい」「下手すぎる」という声がネット上に絶えない理由は、突き詰めると演奏力のばらつきにあります。
とりわけ、キーボード担当・黒坂優香子(ゆかるん)が「弾いていないのでは?」「当て振りでは?」と疑われ続けてきたことが、批判の中心となっています。
個人的に、これほど長年にわたって議論が続くバンドも珍しいと思います。
【結論】サイレントサイレンのライブが「ひどい」と言われる最大の原因は演奏力のばらつき、特にキーボード(ゆかるん)への批判が集中していた

2010年夏に結成されたサイサイは、雑誌「CUTiE」の読者モデルだった吉田菫(すぅ/ボーカル・ギター)と梅村妃奈子(ひなんちゅ/ドラム)が意気投合したことから始まりました。
後に山内あいな(あいにゃん/ベース)、黒坂優香子(ゆかるん/キーボード・シンセサイザー)が加わり4人体制に。
2012年11月にシングル「Sweet Pop!」でメジャーデビューを果たし、2015年1月にはガールズバンド史上最速となる武道館単独公演(9,000人動員)を成功させた、れっきとした実力派バンドです。
ところが、その華やかな実績の裏で「ライブはひどい」という評判が根強く残り続けました。
なぜそのような声が生まれたのか、SNSやなんJの意見をもとに徹底的に掘り下げていきます。
そもそも「キーボードを弾いていない」疑惑はいつ・どこから生まれたのか?結成当初から続く「当て振り」論争の背景

「弾いていないのでは?」という疑惑の出発点は、実はサイサイ自身が公言しています。
ベース担当の山内あいな(あいにゃん)とドラム担当の梅村妃奈子(ひなんちゅ)が2015年3月8日放送のラジオ番組「YKK AP presents 内田恭子のウチ・ここ ~ウチだけ、ここだけの話~」(TOKYO FM)に出演した際、結成当初に「弾いてない、当て振りじゃないか」と言われたことを自ら明かしています。
この発言が広まったことで、「やはり実際には弾いていないのか」という誤解が拡散。
特に後から加入した黒坂優香子(ゆかるん)がターゲットになりやすかった背景には、彼女がバンド加入前は一切バンド経験がなかったという事実があります。
黒坂優香子(ゆかるん)のプロフィールを整理しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | 黒坂優香子 |
| 愛称 | ゆかるん |
| 生年月日 | 1989年6月6日 |
| 出身地 | 埼玉県川口市 |
| 最終学歴 | 大妻女子大学卒業 |
| サイサイ加入日 | 2012年9月13日(元メンバー・寒川綾奈の脱退後) |
| 加入前の経歴 | 雑誌「Ray」の読者モデル。学生時代は新体操に打ち込む |
| バンド経験 | なし(唯一の未経験者) |
| 音楽的素地 | ピアノの習い事経験あり |
| 加入前の音楽嗜好 | アイドルソング・J-POPが中心 |
このような経歴から、「読者モデルを集めただけのバンドで、キーボードは飾り物では?」という見方が生まれやすかったのは否定できません。
しかし、SILENT SIREN公式プロフィールでは「ライブでは楽器を演奏しながらステージ狭しと動き回り、時にはセンターでダンスも披露し、キーボードにとどまらずDJなども披露する」と記されており、パフォーマーとしての多面的な役割が強調されています。
この「当て振り疑惑」は結成初期のイメージが尾を引いたものであり、現在の演奏実態とは必ずしも一致しないという点は、押さえておく必要があります。
なんJ・SNSでの「ひどい」「下手すぎ」という声はなぜ?

なんJやX(旧Twitter)、Yahoo!知恵袋などで見られる批判の声を整理すると、「ひどい」という評価は大きく3つのポイントに集中していることがわかります。
個人差があるのは前提として、批判の構造を知ることはバンドを正しく評価するうえでとても重要だと感じます。
| 批判の対象 | 主な内容 | 多く見られる媒体 |
|---|---|---|
| キーボード(ゆかるん) | 「弾いてない」「当て振りでは」「音が薄い」 | なんJ・Twitter・知恵袋 |
| ボーカル(すぅ) | 「生歌のピッチがずれている」「テレビ映像で聴くとキツい」 | Twitter・まとめサイト |
| ギター(すぅ) | 「演奏がシンプルすぎて迫力がない」 | なんJ・音楽系掲示板 |
| バンド全体 | 「CDのサウンドプロデューサー・クボナオキが仕上げているだけ」 | Twitter全般 |
| ライブ全体の音 | 「フェス会場で音が散って迫力不足」「大箱になるほど粗が目立つ」 | ライブレポ系ブログ |
特にX(旧Twitter)では「テレビでライブのサイサイを見たけど、生だとひどい。CD音源なら結構好きなのに」「ベースとドラムの演奏がガチなだけのバンドじゃん、ギターとボーカルとキーボードはいらない」という類の投稿が繰り返し拡散されてきました。
一方、サイサイをライブ会場で直接観たファンからは「生で聴いた時は思ったよりずっとマシだった」「一体感があって楽しかった」という声も多く、テレビやライブ映像を通じた評価と、現場での体験に大きなギャップがあることが見えてきます。
これはサイサイ固有の問題というより、音響の特性上「生声の弱点が映像越しに出やすい」という側面が大きいと言えます。
ベース・あいにゃんとドラムは高評価なのにキーボードだけ叩かれる理由って?

批判の中で興味深いのは、ベース担当の山内あいな(あいにゃん)とドラムについては高評価が多いという点です。
「ベースとドラムはガチ」という言葉がなんJやX(旧Twitter)に繰り返し登場するのは、実はサイサイの演奏力評価の本質を突いています。
この「格差」が生まれる理由には、明確な背景があります。
まず山内あいな(あいにゃん)は、バンド結成当初からのオリジナルメンバーであり、バンド経験もありました。
ベースという楽器の性質上、演奏の正確さがリズムの安定感に直結するため、聴衆にも「うまい・へた」が伝わりやすく、あいにゃんの安定したプレイは厳しい耳を持つリスナーにも認められています。
ドラムについては、元メンバーの梅村妃奈子(ひなんちゅ)が担当していた時代は特に評価が高く、2021年9月の脱退後は3人体制となり、サポートドラマーも交えながら活動を継続。
ひなんちゅは前澤友作との交際報道も重なり、2021年9月に「新たな道を選択してみたい」として脱退を発表しました。
一方のキーボード担当・黒坂優香子(ゆかるん)が批判されやすい構造的な理由は以下の通りです。
| 要因 | 詳細 |
|---|---|
| ① バンド未経験での加入 | 他メンバーはバンド経験あり。ゆかるんのみ未経験での加入だったため注目されやすい |
| ② キーボードの「見えにくさ」 | ギターやドラムと比べ、キーボードは「本当に音が出ているか」が視覚的に確認しにくい |
| ③ ライブでの動き | センターに出てダンスやパフォーマンスをする場面が多く、「弾いている時間が短い」と映りやすい |
| ④ サウンドプロデュースの影響 | クボナオキ氏によるCDの完成度が高いため、ライブとのギャップが生まれやすい |
| ⑤ マニピュレーターの存在 | クボナオキ氏がマニピュレーター(音源の操作担当)としてサポートしており、「打ち込み音源が主では」という憶測を呼ぶ |
「キーボードを弾いていない」という疑惑は、こうした複合的な要因が重なって生まれたものです。
実際には演奏しながらパフォーマンスもするスタイルをとっており、「全く弾いていない」とは言い切れません。
ただ、視覚的に伝わりにくい楽器であるキーボードの特性と、加入経緯のイメージが合わさって批判が続いているのが実態です。
CD音源とライブのギャップ問題も。サウンドプロデューサー・クボナオキの存在と「作られた音楽」への批判
サイサイの批判の中でもとりわけ根深いのが、「CDの完成度は高いのにライブになると別物」という声です。
この問題を語るうえで欠かせないのが、サウンドプロデューサー・クボナオキの存在です。
クボナオキは、サイサイ結成当初はギタリストとして参加していたメンバーです。
2012年に脱退後は、マニピュレーターとしてバンドをサポートする立場に転じました。
マニピュレーターとは、ライブにおいてシーケンサーや打ち込み音源を操作する役割を担う人物のことです。
X(旧Twitter)では「テレビで見て生だとひどいと思った。サウンドプロデューサーのクボナオキと周りが商品に仕上げているだけ」という意見が何度も拡散されました。
この指摘の本質は「バンドの演奏力そのものより、スタジオワークの完成度に依存した音楽性」への批判です。
| 比較項目 | CD・スタジオ音源 | ライブパフォーマンス |
|---|---|---|
| 音の完成度 | クボナオキのプロデュースで高水準 | 生演奏のため粗が出やすい |
| ボーカルのピッチ | 補正・エディット済み | 生歌のため不安定になることも |
| キーボードの存在感 | サウンドに厚みがある | 打ち込みとの比率が不明瞭 |
| 演奏の迫力 | 編集で整合性が高い | 会場・音響環境に左右される |
| ファンの評価 | おおむね高評価 | 真っ二つに割れる |
| 批判の出やすい場面 | ほぼなし | テレビ出演・フェス出演時 |
ただし、このギャップはサイサイだけの問題ではありません。
多くのポップス・ロックバンドがスタジオワークによってCD音源を磨き上げており、「CDとライブが別物」という現象は業界全体に広く見られるものです。
サイサイの場合、読者モデル出身という先入観が「批判のハードル」を下げている側面があることも見逃せません。
「ひどい」という評価の一方で熱烈なファンが支持し続けた!武道館・横浜アリーナを満員にしたバンドの真の魅力とは
ここまで批判の声を丁寧に見てきましたが、実態としてサイサイは2015年に武道館単独公演9,000人動員、2016年には横浜アリーナ公演を成功させ、2016〜2017年にかけてはアジア・アメリカを回るワールドツアーも敢行しています。
「ライブがひどい」と言われながら、これだけの規模の公演を成立させられた理由は何でしょうか。
この矛盾を解くことが、サイサイを正しく評価するカギになります。
ライブ会場でサイサイを実際に体験したファンからは、次のような声が継続して上がっています。
| 評価ポイント | 具体的な声の内容 |
|---|---|
| メンバーの人柄・笑顔 | 「全員が笑顔で観客とアイコンタクトを取るので一体感がある」 |
| セットリストの構成力 | 「ポップで楽しい曲が続いて飽きない」「『チェリーボム』や『BANG!BANG!BANG!』で盛り上がる」 |
| ゆかるんのパフォーマンス | 「ステージを縦横無尽に動き回るエンタメ性が高い」「DJプレイが意外とかっこいい」 |
| あいにゃんのベース | 「生で聴くとベースの安定感が際立って驚いた」 |
| 会場の一体感 | 「小〜中規模ホールだと距離が近くて熱量がダイレクトに伝わる」 |
| 成長の軌跡 | 「初期より明らかに演奏が安定してきた。成長を見守るのが楽しい」 |
| 親しみやすさ | 「素人感が逆に応援したくなる。完璧なバンドより感情移入できる」 |
また、サイサイは楽曲のポップさと間口の広さも強みです。
「君に夢中」「BANG!BANG!BANG!」「チェリーボム」「八月の夜」「ハピマリ」など、キャッチーなメロディラインの楽曲はライブで観客が一緒に歌いやすく、演奏力の細部よりも「楽しさ」が前面に出やすい構成になっています。
批判する層と熱烈に応援する層がはっきり分かれているのも、サイサイというバンドの特徴のひとつだと感じます。
2021年の活動休止・ひなんちゅ脱退から2023年の復活まで「新生サイサイ」はライブへの評価を変えたのか

サイサイは2021年12月に活動休止を発表。
その直前、同年9月には創設メンバーであるドラムのひなんちゅ(梅村妃奈子)が脱退を発表しました。
脱退理由は「新たな道を選択してみたい」とされていますが、実業家・前澤友作との交際が重なったタイミングでもあり、さまざまな憶測を呼びました。
この約2年間の活動休止を経て、2023年10月11日、すぅ・あいにゃん・ゆかるんの3人は活動再開を発表。
2023年12月28日の「COUNTDOWN JAPAN 23/24」への出演が、新体制での最初のライブとなりました。
大型フェスを復帰の場に選んだことは「自信と覚悟の表れ」とファンから受け止められ、SNS上では「おかえり」「ずっと待ってた」という声が多数集まりました。
活動再開後の「新生サイサイ」に対する評価の変化をまとめると、以下のようになります。
| 時期・出来事 | ライブへの評価・SNSの反応 |
|---|---|
| 2021年活動休止前 | 「ひどい」「下手」批判が最も多かった時期 |
| 2021年9月 ひなんちゅ脱退 | 「3人でどうなる」「ドラムなしでは続けられないのでは」という懸念 |
| 2021年12月 活動休止発表 | 「やはり解散か」という受け止めが広がる |
| 2023年10月 活動再開発表 | 「まさか復活するとは」という驚きと歓迎の声 |
| 2023年12月 COUNTDOWN JAPAN出演 | 「思ったより良かった」「ゆかるんのパフォーマンスが進化していた」という声 |
| 2024年以降 | メンバー各自の個人活動も続きながら、バンドとしての活動も継続 |
なお、2024年8月には山内あいな(あいにゃん)が何らかの重要な報告をX(旧Twitter)で行い、同年10月には黒坂優香子(ゆかるん)も報告を発表するなど、メンバー各自が個別の動きを見せています。
バンドとしての変化と成長を見届けることこそが、長年のファンにとっての醍醐味なのかもしれません。