誰もが知っているチェーン店「いきなりステーキ」。
検索結果を見ると「社長 逃亡」「社長 頭おかしい」などのワードも見られます。

(出典:Google)
おそらくですが、いきなりステーキの前社長である一瀬邦夫さんが辞任した際にそういった誤解や批判が一部で巻き起こった可能性があります。
今回は噂が上がる背景について調査しました。
いきなりステーキ前社長が逃亡?頭おかしい・やばいなど誤解される理由を考察
調査する限り、さまざまな要素が組み合わさった結果、一部の人々から「逃亡」や「頭がおかしい」といった言葉が使われた可能性があります。
それでは、その理由について詳しく見ていきましょう。
理由1:急激な大量出店と昨今の閉店ラッシュのため
2013年に銀座に1号店をオープンしてから数年間で、いきなりステーキは500店舗近くまで急成長しました。
立ち食いスタイルやリーズナブルな価格設定で一躍注目を浴び、店舗拡大も加速度的に進められたのです。
そのビジネスモデルは、以下のようなものでしたね。
しかし、この急拡大が裏目に出ました。
原料や人件費の高騰
いきなりステーキでは、高品質な赤身肉を提供することを売りにしていましたが、ステーキ肉の価格が世界的に上昇したことで仕入れコストが増加しました。

(出典:いきなりステーキ)
特にアメリカやオーストラリアからの輸入肉は為替の影響も受けやすく、価格の変動が直接的に影響します。
このコスト増が価格設定にも反映され、顧客にとっては「以前より高く感じる」という印象を与えることになりました。
また、店舗数の増加に伴い、必要なスタッフの確保も急務となりました。
日本全体で飲食業界の人手不足が深刻化している中、いきなりステーキも例外ではありませんでした。
人件費の上昇が、各店舗の収益を圧迫し、薄利多売のビジネスモデルが成り立ちにくくなったのです。
さらに、新規出店のスピードが速すぎたため、十分なトレーニングが行われずに店舗が開業してしまい、サービスの質がばらつくこともありました。
全国展開していることもあり、都心部では人が集まっても、地方ではなかなか求人募集してもこないケースもあったと思われます。
全盛期の1/3近くまで店舗が激減※2025年時点
急拡大した際に首都圏では短い距離の中に複数の店舗が乱立する事態となりました。
新宿や渋谷、銀座といった都心部では、わずか数百メートル圏内にいくつものいきなりステーキが出店していたのです。
このような密集出店によって自店舗間で顧客の取り合いが発生し、売上が低迷した店舗が増えたと考えられます。
500店舗に迫った時期から閉店の波が押し寄せ、2021年3月には全国で200店舗余りまで減少しました。
2025年1月時点では175店舗まで減ってしまっているようですね。
この急激な店舗縮小は、「無計画な拡大のツケが回った」との批判を強めました。
まるで成功を焦って無理をしたようにも見え、一部からは「経営者としての判断が正常ではない」と言われることになりました。
急拡大に伴い、現場でのサービスやスタッフの教育が追いつかない状況が生まれ、店舗の品質が安定しなかったことも誤解を招いた一因でしょう。
理由2:業績不振の責任で辞任したことが逃亡と誤解されたため
一瀬邦夫前社長が辞任したことが、一部で「経営からの逃げ」として捉えられたのだと思われます。
2022年に辞任を発表した際、一瀬さんはペッパーフードサービス創業者であり、象徴的な存在でした。
辞任は、いきなりステーキの急成長とその後の衰退の責任を取る形だったのですが、世間ではそれが「逃亡」と誤解された可能性はありますよね。
一瀬邦夫さんの後任には息子の健作さんが就任しました。
家族経営に戻ることで「企業としての透明性に欠ける」との声もありました。
特に上場企業における経営者交代では、プロフェッショナルな後任者が求められる傾向があるため、家族に引き継がせることは賛否を生んだのです。
また、店舗数減少、業績悪化、コロナ禍の影響などさまざまな課題が山積している状況での辞任が、「責任放棄」や「自らの経営ミスを隠すための退陣」と捉えられた可能性があります。
企業トップが責任を取る形で辞任することはよくありますが、その際のタイミングや後任の選定が、信頼感に影響することもあるのです。
理由3:値上げや肉マイレージの突然の廃止したため
いきなりステーキが抱えていた問題の一つに、度重なる値上げと肉マイレージ制度の突然の廃止が挙げられます。
この変更により、従来の顧客から大きな反発を招いたのです。
肉マイレージは、ステーキを食べたグラム数に応じてポイントが付与される仕組みで、多くのリピーターが愛用していました。
しかし2020年に制度が廃止され、新たに半年間の消費量に基づくシステムが導入されたのです。
この変更によって、長年積み重ねてきたポイントが無駄になると感じた顧客も多く、不満が噴出しました。
変更点 | 旧サービス | 新サービス(2024年5月13日〜) |
---|---|---|
肉マイレージの付与条件 | 食べたグラム数で付与 | 会計金額100円(税込)ごとに20g付与 |
肉マイレージ進呈例 | ワイルドステーキ150g注文で150g付与 | 同じ注文で300g相当を付与 |
ランク制度 | 変更なし | 変更なし(g数に応じてランク変動) |
来店特典の付与条件 | 会計額に関係なく進呈 | 500円(税込)以上の支払いで進呈 |
肉マネークーポンの利用単位 | 1円単位で利用可能(1円~50,000円) | 100円単位で利用可能(100円~5,000円) |
反映タイミング | 即時10分以内に反映 | 翌日以降5営業日以内に反映 |
シニア会員サービス | アプリ登録なしでも特典を受け取れる | アプリ登録が必要 |
詳細については、公式HPをご覧ください。
2024年5月からは、さらに肉マイレージの付与基準が見直され、グラム数に基づくポイント付与から、会計金額に基づく付与へと変更されました。
従来の顧客には「またもや変更か」と受け止められ、一部では「頻繁な改変が信頼を損ねる」との声も聞かれます。
変更や価格の上昇は、顧客からの信頼を損ね、経営者の決断力が疑問視される要因になったかもしれません。
さらに、度重なる値上げも顧客の反発を招きました。
創業当初は手頃な価格で提供されていたステーキが、数回の値上げを経て高額化し、以前のコスパの良さが薄れてしまったのです。
変更点 | 旧価格 | 新価格(2024年4月3日〜) |
---|---|---|
ランチワイルドステーキ 150g(ライス・サラダ・スープ付き) | 1,390円(税込) | 1,560円(税込) |
特選ヒレステーキ 300g | 4,200円(税込) | 4,630円(税込) |
使用する牛肉の変更 | アメリカ産牛肉 | オーストラリア産牛肉 |
ポイントサービスの見直し | 旧サービスに基づいたポイント付与 | 改定された新ルールでのポイント付与 |
詳細については、公式HPをご覧ください。
特にランチセットの内容が変更され、ライスやサラダが別料金になったり、セットの提供時間が短縮されたりと、利便性が低下したと感じた顧客が増えました。
これにより、値上げとサービスの改悪が「いきなりステーキは高くなった」との印象を強めました。
こちらの記事にもいきなりステーキがひどいと噂される意外な理由や利用者50人の正直な声をまとめています。
ちょっと高いけど「いきなりステーキ」の良い口コミが大半!
「いきなりステーキ」は、値上げやサービス変更が話題になる一方で、味や品質に対しては良い評価が多く寄せられています。特に、ステーキそのものの味や提供スタイルについての評価が目立ちます。
まず、赤身肉の質の高さが支持されています。
脂肪分が少なくヘルシーな赤身肉が、健康志向の消費者から好評を得ており、特にフィットネス愛好者やプロテイン補給を重視する人々に人気です。
焼き加減や肉のカットも、調理のシンプルさを生かし、肉本来の味わいを引き出していると評価されています。
次に、立ち食いスタイルの利便性も口コミで好評です。
ビジネス街に多くの店舗があり、忙しいビジネスパーソンが短時間でランチを済ませたい時に最適とされています。
ランチタイムでも本格的なステーキを楽しめる点が、多くのリピーターを生んでいるのです。
さらに、店舗ごとのサービスの質が安定している店舗も多いという声があります。特定の店舗では接客が良く、スタッフがフレンドリーで親しみやすいと感じる顧客も多く、これが顧客満足度に寄与しているようです。
こうした点から、少し価格が高くなっても「質の良いステーキを手軽に楽しめる」という点で、多くの人がいきなりステーキを支持しているのではないでしょうか。
サービスや価格に対しては不満がある一方で、味そのものや利便性に関する良い口コミも数多く存在します。
いきなりステーキについておさらい
いきなりステーキは、ペッパーフードサービスが運営するステーキ専門店チェーンで、2013年に銀座で1号店をオープンしました。
「立ち食いステーキ」という斬新なスタイルで注目を集め、短期間で急成長し全国展開を果たしました。
オーダーカット方式で肉の量を自由に選べ、シンプルに焼き上げて提供するスタイルが特徴です。
創業当初から高品質な赤身肉を低価格で楽しめると評判で、健康志向や糖質制限の流行にも後押しされました。
店舗数を増やすことで売り上げ拡大を図ってきましたが、急激な出店に伴い経営が圧迫されました。
2018年以降は店舗の飽和状態による売上低迷や、不採算店舗の閉鎖が続いています。
また、ポイント制度「肉マイレージ」の廃止や頻繁な値上げも一部の顧客離れを引き起こしました。
海外市場やギネス記録への挑戦など多様な取り組みを行っていますが、過去の急拡大からの調整を続けています。
項目 | 詳細 |
---|---|
運営会社 | ペッパーフードサービス |
創業年 | 2013年 |
1号店の所在地 | 東京都中央区銀座 |
特徴的なスタイル | 立ち食いステーキ、オーダーカット方式 |
ステーキの注文方法 | 1g単位で指定し、その場で切り分けて提供 |
急成長の背景 | リーズナブルな価格と糖質制限ブームが後押し |
海外展開 | 2017年にアメリカ・ニューヨークへ進出(現在は撤退) |
ギネス記録 | 2018年に24時間でのビーフステーキ販売数記録を達成 |
主な経営課題 | 店舗の急増による収益低迷、値上げやサービス改定の影響 |
現在の店舗数 | 53店舗(2024年時点) |
公式サイト | いきなりステーキ公式HP |
いきなりステーキが向いている人とは
いきなりステーキが向いている人は、手軽にステーキを楽しみたい方や、肉をしっかりと食べたい人です。
特に、昼休みに短時間で食事を済ませたいビジネスパーソンや、糖質制限などでタンパク質を重視している方に向いているでしょう。
また、オーダーカットで肉の量を自由に調整できるので、自分の好みに合わせた量を選びたい人にもおすすめです。
立ち食いスタイルを採用している店舗もあるため、カジュアルな雰囲気でステーキを楽しみたい方には最適なお店ですね。