海外旅行に行く際に心配事の一つになるジプシー。
今回はそんなジプシーについて調査しました。
ジプシーが「怖い」との声はなぜ?
海外旅行に行きたいと思った時には、事前に渡航先の情報を集める方は多いのではないでしょうか。
歴史ある建造物や美味しい食事を調べると思いますが、海外旅行では、治安面はとても気になるのではないしょうか。
東欧や東アジアの国を検索するとジプシーが怖い、または注意という物騒なワードがでてきます。
ジプシーとは移動民族で、路上生活者や浮浪者のこと指していますが、ジプシーの何が怖いのか実際の声をまとめてみました。
- ヨーロッパ旅行中、地下鉄の入り口で男に囲まれた。
- 女の子の集団が居て、金額が書かれた紙とボールペンを渡されサインを迫られた。
- 地図を広げ場所を聞かれたが、その地図に視界を奪われカバンを盗まれそうになった。
- 荷物をたくさん持っている時にバスに乗車した際、乗せるのを手伝ってくれるふりして盗まれそうになった。
ジプシーが怖いというのは、窃盗などの被害に合い、怖い思いをしたという意味と考えられます。
ジプシーはイタリアやフランスなどの景観が美しい都市にも居て、力づくや巧妙な手口を仕掛けたり、あの手この手で観光客などに近づいてきます。
窃盗に失敗しても堂々と歩いているようで、この光景にはカルチャーショックを受ける日本人も多くいるそうです。
ジプシーの特徴をまとめました。
- 子供達が近づいてくる
- 肌が浅黒い
- 親切を装う
上に挙げたのが主な特徴ですが、子供たちが窃盗したりお金をせびるといった行為も多く見られ、かわいそうだと思い一人にお金を渡すと瞬く間に大勢の子供に囲まれたという話もありました。
また、移動民族ということで、現地の国の人と肌の色が違う場合があるのが特徴ですが、身なりなどで見分けるのは難しいそうです。
他にも、親切を装ったりすることもあるそうで、困っている観光客がいればとてもフレンドリーに声をかけてきます。
本当に親切心で声をかけてくれているのかわからないため、せっかく現地人との交流も疑心暗鬼になるといった怖さもあります。
ジプシーはなぜ物乞いする?働かないのは社会背景に原因が?実体験も紹介
ジプシーの人々の中には多種多様な職業に就いている人もいますが、彼らが直面する社会経済的な障壁は無視できません。
ジプシーが多く住む地域はしばしば経済的に不安定で、そこでは就職機会が限られていることが一般的です。
地域によっては、適切な雇用の機会がほとんどなく、これはジプシーの人々だけでなく、その地域全体の課題となっています。
働く場所がなく、結果的に物乞いやスリを行っているのです。
私もフランスやイタリアに1年近く滞在していたことがあるのですが、地下鉄内やその周りでジプシーを見かけることは意外と多かったです。
またパリの地下鉄ではジプシーの子供に囲まれてしまい、自分の後ろにいる子供が私のポケットに手を突っ込んできて、財布やパスポート、スマートフォンを取ろうとしてきました。
すぐに途中下車して走って逃げ、何とか被害を免れたのですが、ヨーロッパだと「アジア人=お金を持っている」という認識のようで被害にあった友人もいます。
日本にはジプシーがいないので想像できないかもしれませんが教育問題も存在します。
ジプシーの子どもたちは教育機会が制限されることが多く、これは将来の雇用に直結します。
教育を受けることが難しい環境にあると、高度なスキルを要求される職に就くことが困難になります。
さらに、ジプシーに対する社会的な偏見と差別は、彼らが仕事を見つける際の大きな障害となっているため、ジプシーの犯罪は絶えないのです。
何とかして欲しいですよね。
ジプシーは美人が多いの?
美人が多いのではとの噂もあるのですが、こちらに関しては個人の感覚によるところでしょう。
ただ、ディズニー映画「ノートルダムの鐘」に出てくるジプシーに対して可愛いとの声は多く見られます。
ジプシーの持つ豊かな文化や伝統は、特有の衣装や音楽、ダンスなど、多くの人々を魅了しています。
これらの文化的表現は、しばしばジプシーの「外見の美しさ」にも反映されることがあるかもしれません。
しかし、ジプシーの人々の美しさを語るとき、文化的背景や個性を尊重し、表面的な外見だけでなく、その人の持つ内面的な魅力や価値にも目を向けることが大切ではないでしょうか。
ジプシーの被害に合わないためにはどうしたらいい
ジプシーの被害に合わないためにはどうしたら良いのか?
予防であったり被害に合いそうになったら、どうすれば良いかを紹介しますので、最後まで読んで参考にしてみて下さい。
- 子供に容易に近づかない
- 貴重品を手に持ったり収納するところを見られない
- 一人で行動しない
- 警察署などの場所を把握しておく
まずは、基本的に自分からジプシーに近寄らないようにすることが大事です。
もちろん、子供全員に近寄るなという意味ではなく、あくまでもジプシー風の人から距離を取りましょうということです。
財布などは、手に持って歩くことはやめましょう。
そして、どこに収納するのかも見せない方が良いと思いますので、お店の中でしっかりと収納したあとに路上にでましょう。
観光客は特に狙われやすいので、自分が気付かないうちに観察されている可能性があります。
なるべくなら収納する瞬間を見られないようにすることをおすすめします。
複数で行く場合は、単独行動は避けた方が良いでしょう。
ヨーロッパは街並みが美しく観光で巡っていると、どうしても周りが見えなくなる時もありますが、同行者とはなるべく離れないように歩くようにしてください。
また、事前に警察署など安全な場所がどこにあるか確認しておいて危険を感じたら走って逃げましょう。
警察署などが無い場合はお店に入るなどして、ジプシーから距離をとることが大事です。
ジプシーについておさらい
ヨーロッパに観光に行くときに、「ジプシーに気を付けろ」と言われた経験がある人もいると思います。
ジプシーとは、さまざまな定義が言われていますが、一般的にはヨーロッパやアジア、アメリカなどを移動して生活をする民族のことを指します。
ただ、ジプシーという呼称は、浮浪者や貧しい人に対して使用される場合が多く、近年は差別用語として放送禁止用語にもなっており、代わりにロマと言い換えられています。
ロマとはインドが起源の移動民族のことで、ジプシーと呼ばれている人が自称で使っている用語です。
しかし、ロマとは多数ある移動民族の一つに過ぎないので、総称として表現することに懐疑的な意見もあります。
現代では、ジプシーと呼ばれている民族の中でも、定住している民族も多いようです。
項目 | 内容 |
定義 | ヨーロッパで生活している移動型民族を指す民族名。様々な地域や団体を渡り歩く者を比喩する言葉としても使用。言語的には、ロマ語(ロマニー語)に60以上の方言が存在する |
名称の由来 | 1427年にパリに現れた際、「低地エジプトの出身」と名乗ったことから「エジプシャン」の頭音が消失し「ジプシー(Gypsy)」となった |
欧州での初期の扱い | 当初は巡礼者としてキリスト教圏で好意的に迎えられ、傭兵や占い師として重宝された。しかし次第に犯罪などのトラブルが警戒され、追放令や死刑の対象となることも |
インド系諸族の詳細 |
– ロマ:欧州最大勢力、北インド・パキスタン起源 – ロミ:ルーマニアで19世紀まで奴隷として扱われ、独自の文化や王制を持つ – アッシュカリー:コソボ周辺に居住、独自のアイデンティティを主張 – ロム:南コーカサス地域、11世紀頃から定住 – ドム:中東イスラム圏、ドマリ語を使用 – リューリ:中央アジアのドム系民族 – バンジャラ:インド・パキスタンでバンジャリ語を使用 – スリランカ・ジプシー:主にテルグ語を使用 |
非インド系諸族 |
– イェニシェ – アイリッシュ・トラヴェラーズ – スコティッシュ・トラヴェラー |
歴史的迫害 | 特に1943年のナチス時代には、全てのジプシーがアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所への収容か不妊手術を強制され、20〜40万人が殺害された |
定住化の試み | 18世紀のオーストリアとプロイセン王国で試みられ、フリードリヒ2世はフリードリヒスローラにジプシー村を建設したが失敗 |
日本での認識 | 明治時代の新聞では「西洋穢多」と報じられたことがあり、現代では差別用語として「ロマ」への言い換えが推奨される。生活様式は日本のサンカに近いとされる |
文化的影響 |
– ツィゴイネルワイゼン – ボヘミアニズム – 遊牧民文化 – 伝統的な職業:鋳掛け、馬の飼育、軍事技術など |