「なんだ今の」という言葉を聞いて、ピンとくる人はどのくらいいるでしょうか。
Xやニコニコのコメントでたびたびこのワードを目にするのに、正体がよくわからないまま「なんとなく笑える」で終わっていた方も多いはずです。
実はこの「なんだ今の」という言葉、元ネタをたどると2008年に2ちゃんねるで生まれた「ちくわ大明神」というコピペにたどり着きます。
さらにそのルーツには、1983年刊行の小説家・阿刀田高(あとうだ たかし)のジョーク集まで遡れるという驚きの事実もあります。
「なんだ今の」の元ネタは漫画ではなく2ちゃんねるの大喜利コピペ!「ちくわ大明神」が正体だった

結論から言うと、「なんだ今の」という言葉の元ネタは漫画ではなく、2008年5月31日に2ちゃんねるのVIP板に立てられたスレッド「あれは私のベンツですけど。←カッコ良く返したヤツ優勝」の中で生まれた「ちくわ大明神」コピペにあります。
知っているようで知らなかった人も多いのではないでしょうか。
そのコピペの核心部分は以下のとおりです。
A:煙草吸ってもよろしいですか?
B:どうぞ。ところで一日に何本くらいお吸いに?
A:ふた箱くらいですね。
B:喫煙年数はどれくらいですか?
A:30年くらいですね。
B:なるほど。あそこにベンツが停まってますね。
A:停まってますね。
B:もしあなたが煙草を吸わなければ、
C:ちくわ大明神
B:あれくらい買えたんですよ。
A:あれは私のベンツですけど。
B:誰だ今の
AとBが普通に会話しているところへ、まったく脈絡のない「C:ちくわ大明神」という第三者が突然割り込み、Bがリアクションとして放つ一言が「誰だ今の」です。
「ちくわ大明神」が何者なのかは一切明かされておらず、それが笑いどころとなっています。

「なんだ今の」という言葉が漫画のセリフのように聞こえることからそう思われることもありますが、正体は純粋にネット発のコピペ文化から生まれた言葉です。
ボーボボやドレンに関連した「なんだ今の」コラが広まったことで、漫画が元ネタという誤解が生まれているケースも多いと考えられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発祥 | 2ちゃんねるVIP板 |
| 発祥年月日 | 2008年5月31日 |
| スレッドタイトル | 「あれは私のベンツですけど。←カッコ良く返したヤツ優勝」 |
| 元コピペ投稿者 | スレッドの305番目の書き込み者(匿名) |
| 元になったジョーク | 阿刀田高『ブラック・ジョーク大全』(1983年刊)収録 |
| 「なんだ今の」のセリフ | BのキャラがCの「ちくわ大明神」に対して放つリアクション |
| 現在の流通媒体 | X(旧Twitter)・ニコニコ動画・pixiv百科事典など |
阿刀田高の1983年刊行ジョーク本が大元!「あれは私のベンツですけど」コピペが2ちゃんねるで改変され「ちくわ大明神」が誕生するまでの全史

「ちくわ大明神」には意外な深いルーツがあって、改めて調べてみると日本のネット文化史そのものだと感じます。
「ちくわ大明神」「誰だ今の」を除いた元のジョークは、1980年代に出版された作家・阿刀田高のブラックジョーク集に掲載されており、口調も含めてそれを改変したものと考えられています。
阿刀田高の原文では、男Aが男Bに対して「タバコさえ吸わなきゃ、あそこにある高級車くらい買えただろうにな」と言い、男Bが「フーン。実は、あれ、ボクの車なんだ」と返す構成になっています。
2ちゃんねるのVIP板では、この話を下敷きにした大喜利「最後にカッコいい一言を返せ」というスレッドが盛り上がり、スレッドの305番目の書き込みで「ちくわ大明神」という謎の第三者が会話に乱入するという改変が登場しました。

その後、2010年代にかけてTwitter(現X)で「ちくわ大明神」が拡散し、Twitterのタイムライン上で突然「ちくわ大明神」とだけ呟かれ、周囲のユーザーが「何それ?」と突っ込むのがお約束のパターンとして定着していきました。
2023年にはTogetterで「あれは私のベンツですけど」の元ネタが阿刀田高の書籍であると改めて検証され、「コラだろと疑ったけど買ってみたらマジだった」「ちくわ大明神だけがオリジナル」という反応が多数寄せられ、再びバズりました。
40年以上前のブラックジョーク集から2ちゃんねるのコピペを経てXへ、という長い旅路を経てネットミームとして完成したのが「ちくわ大明神」コピペの正体です。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 1983年 | 阿刀田高『ブラック・ジョーク大全』旧版刊行(タバコ&ベンツのジョーク収録) |
| 2007年 | 同書の新装版(講談社文庫)刊行 |
| 2008年5月31日 | 2ちゃんねるVIP板に大喜利スレが立つ |
| 2008年(スレ305番目) | 匿名ユーザーが「C:ちくわ大明神」「B:誰だ今の」を書き込み誕生 |
| 2010年代 | Twitterに拡散し一般ネットユーザーにも浸透 |
| 2023年6月 | Togetterで「元ネタが阿刀田高だった」と改めて検証・再バズり |
「ちくわ大明神」の正しい使い方・返し方と、ボーボボ×ドレンなどXで話題になったコラ一覧

「誰だ今の」と自然に返せるようになったら、もうあなたは立派なネット古参ですよね。
「ちくわ大明神」の使い方は非常にシンプルで、会話の途中に唐突に「ちくわ大明神」と割り込ませ、使われた側は「誰だ今の」と返すのが定番のセットになっています。
これはXやニコニコのコメント欄だけでなく、チャット、LINE、配信のコメント欄でも同様に使われます。
また、コピペ全体を貼り付けるのではなく、「ちくわ大明神」の一言だけを投下するパターンも多く見られます。
「ボボボーボ・ボーボボ」のキャラクターであるドレンの画像に「なんだ今の」というセリフを組み合わせたコラ画像がXで話題になったことで、「なんだ今の=漫画の元ネタがある」という誤解が広がったとも考えられます。
「ボボボーボ・ボーボボ」はもともと作中にちくわが頻繁に登場する作品でもあることから、ボーボボ×ちくわ大明神の親和性を指摘するユーザーは今も多くいます。
ただし、公式のコミックスやアニメに「ちくわ大明神」というキャラクターが実際に登場しているわけではありません。
「忍者ハットリくん」の264話「ちくわなんか食べないわんの巻」では、ハットリくんが「ちくわ大明神」に扮して登場するエピソードがあり、アニメ起源説を主張するユーザーもXで定期的に現れます。
| コラ・派生タイプ | 内容・特徴 |
|---|---|
| ボーボボ×「ちくわ大明神」コラ | 「ボボボーボ・ボーボボ」の世界観に「ちくわ大明神」を登場させたファンアート・画像改変 |
| ドレン×「なんだ今の」コラ | Xで話題、格闘シーンの台詞「なんだ今の」と組み合わせた画像改変 |
| ワクチンCM風コピペ | 著名人が「私も打ちました」と続ける列挙の中に「ちくわ大明神」を挿入するパターン |
| 脳内会議パターン | 「私A:絵が描きたい」「私B:ゲームがしたい」という列挙の中に「私D:ちくわ大明神」を差し込む形 |
| はんぺん大権現ネタ | ニコニコ大百科発。「ちくわ大明神が見つかったようだな」「かまぼこ大魔神」「さつまあげ大魔王」と練り物シリーズで展開する派生 |
| 上司との会話挿入型 | 「酒は?」「タバコは?」の返答列挙の中に「ちくわ大明神」を入れ、「誰だ今の」で締めるパターン |
| ハットリくん起源説コラ | 264話のちくわ大明神シーンを根拠として「本物の元ネタ」と主張するポストが定期的に登場 |
「元ネタ誰も知らない」とXで8,000件超いいね!「なんだ今の」の正体を巡るSNS民の反応が面白すぎる

長年愛されてきたネタなのに「元ネタが分からない」という声が今も続いているのが、このミームの面白さだと思います。
Xでは「何だ今の?元ネタ、ググってもツイート検索かけても誰も知らないっぽいんだけど情報求む」という投稿に8,000件以上の高評価が集まり、「なんだ今の」の元ネタ探しが今も続いていることが改めて証明されました。
2023年にはTogetterで「あれは私のベンツですけど」の元ネタが阿刀田高の書籍だったことが改めて話題になり、「コラだろと疑ったけど買ってみたらマジだった」「元ネタの方が火力高い」「これコピペなのも驚いたけど、元の方がさらに驚き」といった反応が多数寄せられました。
「ちくわ大明神ってボーボボにあった気がする…気のせいかな」というポストも今も定期的にXに流れており、漫画が元ネタという誤認が繰り返されることがわかります。
また、ニコニコ動画では「はんぺん大権現『ちくわ大明神が見つかったようだな』かまぼこ大魔神『フフフ…奴は四天王の中で最弱…』」というコメントが大量についており、ちくわ大明神を軸にした練り物キャラの四天王設定まで派生しています。
VTuberの加賀美ハヤトさんの配信のコメント欄でも「ちくわ大明神」→「誰だ今の」の流れが再現されており、古参ファンのお約束として機能しています。
「ぬるぽ→ガッ」や「伝説って?→ああ!」と同じように、「ちくわ大明神→誰だ今の」はコミュニティ内の連帯を確認する合言葉的な役割を果たしているのかもしれません。
| 反応パターン | 代表的なコメント例・傾向 |
|---|---|
| 元ネタ不明派 | 「誰も知らないっぽい」「ググっても出てこない」→8,000件超いいね |
| 阿刀田高説への驚き | 「マジだった」「コラと疑ったけど本物」「元ネタの方が火力高い」 |
| ボーボボ関連誤認 | 「ボーボボにあった気がする…気のせいかな」と今もXで定期的に呟かれる |
| ハットリくん説 | 264話に「ちくわ大明神」が登場したと主張するポストが定期的に話題に |
| 練り物シリーズ派生 | ニコニコ大百科で「はんぺん大権現」「かまぼこ大魔神」「さつまあげ大魔王」と拡張されファン化 |
| VTuber配信コメント欄 | 加賀美ハヤトさんなどの配信で「ちくわ大明神→誰だ今の」が再現される |
| 「誰だ今の」を知らない初見の反応 | 「なにそれ」とリプライ→それもお約束の流れとして定着 |
「ちくわ大明神=会話への乱入者」という構造は、コミュニティの空気感を壊さずに笑いを作る日本的ボケの極致だった【考察】

ここからは少し深掘りした話になりますが、「ちくわ大明神」というミームが20年近く生き続けている理由を考えてみると、面白いことに気づきます。
「ちくわ大明神」のコピペが長く愛されてきた背景には、「会話の外から突然現れる第三者」という構造的な面白さがあります。
AとBがきちんとした会話をしているところに、名前もなく脈絡もない「C」という存在が「ちくわ大明神」とだけ告げて消える。
そしてBが「誰だ今の」と呟いて話が再開されるというこの構図は、漫才でいう「ボケとツッコミ」ではなく、「場への乱入とコミュニティの秩序回復」という別の笑いの文法で動いています。
ボボボーボ・ボーボボのドレンが戦闘中に突然「ちくわ大明神」的な空気感で現れ「なんだ今の」と言わせしめるコラ画像がXで受け入れられた理由も、この構造と一致しています。
どちらも「場を壊す存在」を笑うのではなく、「場が壊れたことへのリアクション」を楽しむという点で、日本のネットミーム文化における「傍観者ツッコミ型笑い」の典型と言えます。
さらに言うと、「ちくわ大明神」はその言葉の音の響き自体が面白く、「誰だ今の」という5文字のツッコミがテンポよく決まるという韻律的な完成度が、テキストコミュニケーションの中で特に際立っています。
これは阿刀田高のジョーク集の文体から受け継がれたリズム感とも無関係ではないかもしれません。
| ミーム名 | 乱入の仕方 | リアクション | 発祥年・媒体 |
|---|---|---|---|
| ちくわ大明神 | 会話中にCが唐突に「ちくわ大明神」と発言 | 「誰だ今の」 | 2008年・2ch |
| ぬるぽ/ガッ | 「ぬるぽ」とだけ書かれたら即「ガッ」と返す | 「ガッ」 | 2000年代・2ch |
| 伝説って?/ああ! | 特定のワードに条件反射で返すコール&レスポンス | 「ああ!」 | 2020年代・VTuber文化 |
| FF外から失礼するゾ〜 | フォロー関係のない人が会話に突入する行動パターン | 苦笑・あるある共感 | 2010年代・Twitter |
【まとめ】「なんだ今の」は阿刀田高×2ちゃんねる×ちくわ大明神が生み出した日本ネット文化の奇跡のコラボ
改めて振り返ると、「なんだ今の」という一言が実はここまで深い歴史を持つネットミームだったとは驚かされます。
「なんだ今の」の元ネタは、1983年の阿刀田高によるジョーク集→2008年の2ちゃんねるVIP板での「ちくわ大明神」誕生→X・ニコニコへの拡散→ボーボボ・ドレンコラとの組み合わせ、という40年以上かけて積み重なった日本のネット文化の産物です。
「漫画が元ネタ」という誤解が生まれるほど、コラ文化の中に深く溶け込んでいるのは、それだけこのフレーズの構造が普遍的で応用しやすいからだと言えるでしょう。
「ちくわ大明神→誰だ今の」というセットは、今後もXやニコニコ、VTuber配信のコメント欄で使われ続ける鉄板ネタとして生き続けるでしょう。
「なんだ今の」を見かけたときに、阿刀田高の名前と2008年のVIP板スレッドを思い浮かべてほしいと思います。
| カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| 元ネタ書籍 | 阿刀田高『ブラック・ジョーク大全』(1983年刊・講談社) |
| 発祥スレ | 「あれは私のベンツですけど。←カッコ良く返したヤツ優勝」2008年VIP板 |
| 関連アニメ① | ボボボーボ・ボーボボ(ちくわとの親和性が噂される・公式登場は未確認) |
| 関連アニメ② | 忍者ハットリくん264話「ちくわなんか食べないわんの巻」(ちくわ大明神に扮するシーンあり) |
| 関連楽曲 | あるふぁきゅん。「しんでしまうのはなさけない!」(歌詞中に登場) |
| 実在スポット | 静岡県浜松市の練り物会社に祀られた「ちくわ大明神」(もとは水神・836年建立) |
| 主な派生コラ | ボーボボ×ドレン「なんだ今の」コラ、ワクチンCM風コピペ、はんぺん大権現ネタなど多数 |